ロイコ色素材料を用いた低線量γ線検出システムの開発
Project/Area Number |
13750783
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
太刀川 達也 埼玉大学, 工学部, 助手 (20251142)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | ロイコ色素 / ガンマ線 / ドシメトリー / フェノキサジン / o-ニトロベンジルエステル / 放射線感応性色素 / フェノチアジン |
Research Abstract |
本年度は、γ線照射に対して耐性の弱かったフェノチアジン色素に替わる色素骨格として、フェノキサジン系色素を用いる系について検討した。3,7-ビスジエチルアミノ-5-フェノチアジンの10位の窒素にo-ニトロベンジルオキシカルボニル部位を有する化合物(1)をフェノチアジン系色素を合成したのと類似の方法で合成し、γ線照射実験を行った。その結果、化合物1のアセトニトリル溶液(1x10^<-4>M)は、40Gyの照射により、目視で無色透明から青色に発色することが確認できた。この結果で工業的所有権を申請した(時田澄男,太刀川達也,"フェノキサジン系化合物及び放射線検出方法",特願2002-84898)。 さらに、同様にフェノキサジン骨格を色素骨格とし、保護基部分の異なる誘導体を種々合成すべく、新しい合成に取り組んだ。色素の還元体に酸ハロゲン化物や、ギ酸エステルを作用させ、直接保護基を導入する方法により、新規フェノキサジン系色素化合物を容易に合成できることがわかった。ここで合成された2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル基を有する化合物(2)は、高いγ線感受性を示し、化合物1の4分の1程度の照射線量(10Gy)から目視で青色の着色を確認した。また、色素の還元体に4分の1当量のトリホスゲンを作用させることにより、トリクロロメチルオキシカルボニル基を有する化合物(3)が合成できることがわかり、化合物3も高いγ線感受性を示した。ここで示した新規合成法と合成した色素前駆体の放射線感受性について工業的所有権を申請中であり、学会発表を予定している。 色素骨格に多種の誘導体が存在するインドフェノールやインドアニリン系を用いた化合物についても検討を行った。色素骨格のγ線照射に対する安定性は、インドアニリン系色素やインドナフトール系色素で異なることがわかった。P-トルエンスルホニル基で保護したインドナフトール系発色色素(4)はγ線照射により発色することが確認されたが、その色素体のγ線に対する堅牢性は、フェノキサジン系色素より低いことがわかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)