先端固体NMR法によるpolyamorphous構造およびダイナミクスの精密解析
Project/Area Number |
13750830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶 弘典 京都大学, 化学研究所, 助手 (30263148)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ガラス状高分子 / ポリエチレンテレフタレート / ポリアクリロニトリル / コンホメーション / ダイナミクス / 固体NMR / 二次元NMR / 多量子NMR / ポリエチレンナフタレート / フェノキシ樹脂 / 物理エージング / OH_<-π>相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、これまで明らかにされなかった非晶構造およびダイナミクスの精密解析を可能にするNMR手法の開発およびその高分子材料への応用を行った。非晶性高分子の局所構造を詳細に解明することを目的として、化学シフト異方性(CSA)を利用したゼロ量子dephasing(ZQ-CSA-dephasing)NMR法を開発した。この方法では、結晶性・非晶性を問わず固体材料中の特定部位に対する各コンホメーション(あるいは配向)の存在比およびそれらのねじれ角(あるいは相対配向の角度)を定量的に決定することができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)の^<13>CH_<2^->^<13>CH_2部分のtrans/gauche比およびそれらのねじれ角を、ZQ-CSA-dephasing法により決定した結果、非晶PETにおいては、amorphous trans : amorphous gauche=12:88(±3)、およびamorphous transのねじれ角が180°を中心として、標準偏差σ=16°で分布していることが明らかとなった。また、結晶化させたPET(T_<1ρ>測定による結晶化度:26±5%)の測定を行ったところ、crystalline trans : crystalline gauche : amorphous trans : amorphous gauche=23:0:20:57(±5)であることが明らかとなった。結晶化試料においては、非晶成分中のamorphous trans量は20/(20+57)x100=26%であり、非晶試料中のamorphous trans量(12%)よりはるかに多い。このことから、結晶化に伴い、非晶成分が秩序化していくことが明らかとなった。この手法により、非晶状態においてもコンホメーションの定量化ができたことに加え、これまで観測することができなかった非晶中におけるtrans成分(amorphous trans)を選択的に観測することができた。また、このZQ-CSA-dephasing法は、MAS下で測定を行うため、CP/MASスペクトルにおけるコンホメーションの帰属にも用いることができる。 また、非晶状態における分子間パッキングを、二次元二量子遷移(2D DOQSY)固体NMR法により調べた。さらに、二次元magic angle turning(MAT)法を用い、ポリアクリロニトリルの熱処理過程における構造変化を観察するとともに、非晶性高分子の局所ダイナミクスを精密に解析した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)