Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本年度の調査においては,生物指向的な工学手法に関して,文献を中心とする調査を実施した。具体的には,生物の協調と系構成に関する創発的な手法,人間を範にとった各種のエージェント手法,コホネンの自己組織化マップを代表とする各種の自己組織化の手法,免疫系・遺伝系などに代表されるバイオロジーや進化的手法,さらに人間の知覚器などについての調査を幅広く行い,コンピュータという仮想空間を利用して製造業に適用するための現在の最新技術の動向や可能性,現時点での技術的課題などの整理を試みた。その結果,生物の特徴である自律性,協調性,恒常性(ホメオスタシス性),環境適応性(進化性,共進化性,創発性),自己組織化性などについて,それぞれの手法の有効な適用範囲とその限界を整理した。 さらに,特に自己組織化という観点から,製造に関する技能の獲得のシステム化について検討を行った。具体的には,複数の自律的なシステム要素の協調的により製造技能を獲得するプロセスを生物指向的な工学手法を用いて再現できないかを検討した。このために,問題を幾つかの部分問題に分割する問題分割や,複数の問題解決の結果を寄せ集めて目標とする解を導出する解統合などのプロセスを明確にする必要があることが明らかになり,従来の生物指向的な工学手法では必ずしも重要視されていない適合度(目的関数)の設定の確立の問題や,計測等のセンシング技術などの問題が重要であることが判明した。
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