Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
緊密土壌ストレス下におけるコムギ根系の発展能力について,(1)緊密土壌ストレス耐性の簡易評価法の確立,(2)緊密土壌ストレス耐性と植物形態との関連性に関する調査,(3)圃場における緊密土壌ストレス耐性の検証,の3項目の検討を行なった.以下にこれらの概要を示す. (1)ワックスディスクを組み入れた特殊ポットにてコムギを栽培することで,緊密土壌ストレス耐性選抜に適した簡易評価を可能とした.国内外の研究機関から収集したコムギ系統計60品種を予備実験に用い,広範な根貫入力変異を示すエチオピア在来種7品種,北米育成多収性品種17品種そして北海道内主要品種10品種を見い出した.最終的には,極めて特徴的な根貫入力を示す6品種を選抜できた. (2)緊密土壌ストレス耐性と正相関する植物形態として,根量(種子根・冠根・側根)・草丈・分げつ数が認められた.これらは,土壌深部への根系形成に密接に関連する量的形質と考えられる.また部の根貫入力品種には,個根の貫入能力が高いことで根全体の貫入能力を高めている品種とみられるものもあり,今後は,個根の微細形態についての検討も必要と考える. (3)圃場内にベントナイトを基本とした緊密土壌層を設けた上でコムギを栽培し,塹壕法により根発展程度を経時的に調査したところ,上記ポット試験で認められた現象は圃場においても確認され,これらのストレス耐性が環境に対し安定した遺伝形質であることを明らかにした. 以上の知見は,コムギ根の貫入力特性における遺伝的変異および発現機構を解明する端緒となり,緊密土壌耐性に優れたコムギを作出する上で重要と考える.
|