農村空間における棚田景観の評価構造を通じた管理手法の構築に関する研究
Project/Area Number |
13760026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 聡 姫路工業大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (10231672)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 農村景観 / 視線解析 / 畦畔 / 植生管理 / 棚田 |
Research Abstract |
農村部では過疎化や都市化の進展によって多様な環境保全機能が減少しつつある。それに伴い農業という生業に基づいて形成されてきた文化的景観としての農村景観も変質しつつある。本研究ではこれらの農村景観のうち水田部、棚田景観を対象に、それらを成立させている固有性が何であるかを畦畔部を中心に物理的・植生的側面から明らかにするとともにそれらの景観を評価する構造について視線解析を用いた人間の反応行動としての心理的側面から明らかにすることにより棚田景観の保全に向けた新たな管理手法を提案することを目的とした。 研究対象候補地として、兵庫県津名郡内の農村部に存在する一群の水田地帯を取り上げ地形の急峻地域と緩やかな地域から各1点、計2点を設定した。これらの2地点の植生状況は通常、関西地域で見られる植生であり、一般的な水田畦畔植生であった。 プレ調査の結果から対象地の景観を特徴づけるものとして、地形および景観植物の存在が予想されたため、対象地の景観写真を用いて視認特性を捉えた。その結果、景観の評価構造に関わる視線は景観写真内の異質な素材や色、それらの接続部に注目する傾向があることが明らかとなった。また、素材感は遠景では影響が少く近景において影響が大きい結果となった。これらを構成する素材としては、ヒガンバナなどの景観植物があげられた。 地形に関わる視線解析から、視線が一定時間以上留まる注視点は季節により異なることが認められた。中でも田植期において田の内部への視線誘導が最も多く見られ、水面と畦畔部の輪郭がはっきりとしていることが景観把握に影響していると考えられた。 以上のことより、棚田景観の保全を行う上で、季節性を考慮した植生管理や水面が見えるような視点場の確保が重要であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)