天敵種間の相互作用が害虫の個体群動態に及ぼす影響評価と理論的基盤の構築
Project/Area Number |
13760034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
仲島 義貴 帯広畜産大, 畜産学部, 助手 (80322882)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 生物的防除 / ギルド内捕食 / 捕食回避 / 寄生蜂 / 捕食者 |
Research Abstract |
寄生蜂-捕食者-植食者の系で、捕食者(ギルド内捕食者)の存在が寄生率に及ぼす影響として、(1)ギルド内捕食者による既寄生寄主の捕食と、(2)ギルド内捕食者が存在する場所での寄生蜂による産卵回避(以下、ギルド内捕食回避)が考えられる。本研究では、ギルド内捕食とギルド内捕食の回避が寄生率に及ぼす影響を評価するために、以下の実験を行った。1)ギルド内捕食回避の発生頻度の評価、2)ギルド内捕食回避のメカニズムの特定、3)ギルド内捕食の発生頻度と、それに影響する諸要因の評価。 この結果、アルファルファ草地において、多くの寄生蜂(エルビアブラバチ)の成虫が、アブラムシに産卵を行っている期間に、捕食者(ナナホシテントウ)が多い場所ほど、その場所での寄生率が低くなることがわかった。また、ナナホシテントウ由来の痕跡が存在する場所で、寄生蜂雌成虫が寄主探索をあまり行わないことが、ギルド内捕食回避のメカニズムであることが明らかになった。ギルド内捕食の発生頻度に関しては、捕食者が既寄生アブラムシよりも未寄生アブラムシを頻繁に攻撃し、既寄生アブラムシに対するナナホシテントウの捕食頻度は、アブラムシ体内の寄生蜂の日齢が進むほど減少することがわかった。 以上の結果から、捕食者の存在が寄生率に影響するメカニズムは、従来考えられていたギルド内捕食ではなく、寄生蜂成虫による捕食回避であることが分かり、捕食者の存在が必ずしも寄生蜂による害虫防除に悪影響を及ぼすとは限らないことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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