西アフリカのトウジンビエにみられる作物―雑草複合の生態遺伝学的解析
Project/Area Number |
13760036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 励一 京都大学, 農学研究科, 助手 (60229648)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 作物-雑草複合 / トウジンビエ / アフリカ / 雑穀 / 表現型連鎖マーカー / バルク分離法 / PCR-RFLP / 超遺伝子 / 雑草防除 / bulked segregant analysis / RAPD / 農業 / 進化遺伝学 |
Research Abstract |
トウジンビエは熱帯半乾燥地できわめて重要な主穀作物である。西アフリカではトウジンビエ畑に雑草型とみられる脱粒性トウジンビエが混在しているのが広くみられるが,これは労力をかけて除草される一方,成熟した穂は食用として収穫されるという,作物と雑草の中間的な性格を有している。雑草型諸形質の遺伝様式を調べるため,昨年度はバルク分離法によってRAPDベースの連鎖マーカーを設定した。本年度,このバンドをクローニングして作物型と雑草型の塩基配列を比較したところ,Pst Iの認識サイトに対応する置換がみつかり,PCR-RFLPによってヘテロと両ホモの判定ができるようになった。ヘテロ個体の自殖第1代の分離集団について,マーカー遺伝子型を判定するとともに,表現型の主成分分析を行った結果,(1)脱粒性,小さい穂を多数出すこと,穎や剛毛が長いことなどの雑草型諸形質は強く連鎖しており,いわゆる超遺伝子によって支配されていること,(2)現地でみられる雑草型個体はこの超遺伝子に関するヘテロ接合体であり,雑草型のホモ接合体はまれで,かつ不稔らしいこと,(3)現地でみられる雑草型個体は主に雑草型花粉が作物の穂を汚染することにより,播かれた作物の種子から出現していること,が明らかになった。この系は,これまで知られていない非常に特殊なタイプの作物-雑草複合であり,トウジンビエが穀類では少数派の他殖性であるために成立しているものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)