シロアリ類の消化管内β-グルコシダーゼの精製と解析
Project/Area Number |
13760043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
蚕糸・昆虫利用学
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
徳田 岳 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助手 (90322750)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | シロアリ / β-グルコシダーゼ / 唾液腺 / コウシュンシロアリ / セルラーゼ / 精製 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度にコウシュンシロアリの唾液腺から部分精製したβ-グルコシダーゼを用いて、酵素学的な解析を行った。まず、セロビオースを基質としてβ-グルコシダーゼの諸性質を検討した。 Lineweaver-Burkプロットにより、K_m値を求めたところ2.5mMであった。しかし、部分精製酵素であるため、V_<max>値を求める事はできなかった。PHに対する反応について検討したところ、最適pHは5.6であり、pH4〜7の間で、最大活性の50%以上の活性を保持することがわかった。また、様々な温度条件に対して酵素活性を調べたところ、20〜45℃の間で安定に活性を保つことがわかった。しかしながら、55℃以上の温度で酵素溶液をインキュベートしたところ、30分以内に完全に失活した。これらの性質について、キノコシロアリ亜科に属するMacrotermes mulleriから精製されたβ-グルコシダーゼAと比較したところ、大きな違いは認められなかった。次に、様々な基質に対して酵素活性の変化を検討したところ、シロアリ唾液腺β-グルコシダーゼはp-nitrophenyl-β-D-fucosideやラミナリビオースをよく分解したが、p-nitrophenyl-β-D-galactosideやラクトースはほとんど分解しないことがわかった。また、ゲンチビオース、ラミナリン、およびサリシンは全く分解しなかった。このことから、この酵素が、グルコピラノシドのβ-1,4結合だけでなく、β-1,3結合も潜在的に分解しうる能力を持つ事が明らかとなった。さらに、これらの基質特異性の結果から、このβ-グルコシダーゼが3つのクラスに分類されている昆虫β-グリコシダーゼのうち、クラス1β-グリコシダーゼというカテゴリーに属することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)