植物-菌根菌共生系に特異的なリン酸獲得・濃縮・輸送メカニズムの解明
Project/Area Number |
13760050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
江澤 辰広 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40273213)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | アーバスキュラー菌根菌 / 共生 / リン酸 / ホスファターゼ / 遺伝子発現 / ポリリン酸 / 膜輸送体 / パッチクランプ |
Research Abstract |
アーバスキュラー菌根共生系におけるリン酸の獲得・濃縮・輸送のメカニズムを解明する目的で、共生特異的に宿主の根から分泌される酸性ホスファターゼの全長cDNAの塩基配列決定および遺伝子発現解析を行うと共に、菌根菌のプロトプラスト作製のための予備検討を行った。 1.共生特異的酸性ホスファターゼの全長cDNA塩基配列の決定および遺伝子発現解析 精製された共生特異的酸性ホスファターゼのN末端アミノ酸配列15残基を基にPCRプライマーを設計し、3'/5'RACE法によりcDNA(TPAP1)の全長塩基配列を決定した。TPAP1は,1,8kbpからなり,N末端部分に34残基のシグナルペプチドを含む466残基のアミノ酸をコードしていた.また,TPAP1の5'端非翻訳領域は,同遺伝子の3'端非翻訳領域と相補的な40塩基ほどの配列を有していた.RT-PCRとそれに続くサザンハイブリダイゼーションにより,菌根形成によるTPAP1mRNA発現量の変化を調べた.TPAP1の発現量は菌根形成により3〜10倍に増加した.また、TPAP1のC末端に対する抗体を用いたWestern blottingにより、TPAP1の定量を行ったところ、酵素活性の上昇と共にタンパク量も増加していたことから、本酵素の活性は遺伝子発現のレベルで制御されていることが示唆された。 2.菌根菌プロトプラスト作製のための予備検討 パッチクランプ法による菌根菌細胞膜上のリン酸輸送体の活性検出を目的として、アデレード大(オーストラリア)S. Tyerman教授のもとで菌根菌のプロトプラスト作製を試みた.高浸透液中で根細胞を酵素消化後、徐々に溶液の浸透圧を低下させると、菌糸の切断面からプロトプラストが突出してくる現象を認めた。今後はこの手法を用いて、Tyerman教授との共同研究でパッチクランプを行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)