Project/Area Number |
13760058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伏信 進矢 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00302589)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | β-ガラクトシダーゼ / 好熱菌 / X線結晶構造解析 / 構造生物学 / タンパク質工学 / 糖質分解酵素 / ラクトース / ガラクトース |
Research Abstract |
前年度には、新規好熱菌由来β-ガラクトシダーゼ(A4-βGal)の結晶構造を解明することに成功し、nativeおよびガラクトース複合体構造において1.6Åおよび2.2Å分解能の構造がそれぞれ得られた。本構造は、糖質加水分解酵素ファミリー42としては世界初の立体構造であった。本年度は、この構造のさらに詳細な解析と、その結果の国際誌への論文発表を行い、さらに、活性が大幅に上昇した変異体の機能解析・立体構造解析を行った。A4-βGalは植木鉢状の3量体構造をとっており、全体の約20%を占める接触面において強い相互作用で結びついていた。本酵素が産業上有用な酵素である所以であるところの高い耐熱性は、この強力な相互作用によるものであることが推測された。また、活性部位の形成に、隣のサブユニットの残基が関与しており、活性の発現にも3量体化が必要であることが分かった。このように多量体化により活性部位を形成している例は糖質加水分解酵素の中では初めての例であった。なお、ガラクトースの認識機構は、構造既知の大腸菌βガラクトシダーゼとは全く異なっており、新規の基質認識機構が発見された。さらに、A4-βGalの反応機構はアノマー保持機構に従うことを、ファミリー42酵素では初めて、実験的に証明した。しかし、驚くべきことに、本酵素の全体的な立体構造は、本酵素と全く異なる反応機構(アノマー反転機構)に従うβアミラーゼとよく似ていた。従って、本酵素は糖質分解酵素で普遍的に見られる(α/β)8バレルの進化の上で特異な存在であることが明らかになった。 これまで、共同研究者の大津らにより、本酵素の活性が大幅に上昇する変異体(P317S, H323Yおよびそれらの2重変異体)が得られていたが、我々はこれらの機能解析により、P317Sでk_<cat>の上昇、H323YでK_mの減少が起こり、2重変異体ではk_<cat>/K_mで約5.5倍の活性上昇が引き起こされることを見いだした。現在、2重変異体で1.8Å分解能の立体構造を得ており、変異の導入に伴う構造変化が活性中心残基へ伝わることにより、活性の上昇が引き起こされることを見いだしている。本研究の成果の一部は、「応用糖質科学誌」、Journal of Molecular Biology、「構造生物」に掲載された。現在、活性の上昇した変異体の機能・構造解析に関する論文の投稿を準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)