高活性耐熱性アスパルターゼ反応機構の複合体結晶解析による解明
Project/Area Number |
13760070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 知実 京都大学, 化学研究所, 助手 (50260617)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 構造生物学 / X線結晶解析 / アスパルターゼ / 耐熱性 / 立体構造 / 結晶構造 / 局所構造比較 |
Research Abstract |
高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所放射光施設を使用して測定した2.5Åの回折強度データに対して、さらに精密化を行なった。得られたBacillus YM55-1アスパルターゼの精密分子構造と、類縁酵素との構造比較を行なった。この際、ドメインや2次構造の相対的配置の違いが見られたため、局所的な構造比較を行なう方法を考案した。この手法は、連続する5残基を最小2乗法により重ね合わせ、その際のCα原子間距離の差のrms偏差を真ん中の残基の値としてプロットする、というものである。このことで、ドメインや2次構造の相対的配置の違いに関係なく、局所的に本質的な差を表示することができる。この手法を本研究に適用することにより、活性部位近辺に4箇所の構造差異領域を見つけることができた。これらの領域へ着目することで、基質分子の認識部位や反応に関与が考えられる残基の推定を行なった。特に、Gln96〜Gly100の領域では、アスパルターゼとフマラーゼで共に別の残基が保存されていた。さらにこれらの残基のリガンドフリー状態での水分子との相互作用を考慮に入れ、この領域が、基質を特徴付けているR基(アスパルターゼではアスパラギン酸のアミノ基)の認識に関与することが大きく示唆された。また、基質の2つのカルボキシル基を結合する部位として、Lys324とSer140がその可能性が大きいことを推定した。これら情報を総合的に検討し、基質であるアスパラギン酸の分子モデルを活性部位にあてはめた基質結合モデルを構築することに成功した。さらには、δクリスタリンの硫酸イオンとの複合体構造との詳細な構造比較により、フレキシブルなループであるGly317〜Pro322の領域が、反応遂行のために重要な役割を担っていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)