Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
北海道北部針広混交林において,二酸化炭素濃度の高度分布を測定した.上層部にミズナラ・トドマツ・ダケカンバが優占し,林床にはクマイザサが優占している.樹冠上の30m,および林内の17,9,5,1mの高さから500ml min^<-1>の流量で空気を取り込み,二酸化炭素濃度計(DX6100,RMT Ltd)によって濃度を10秒間隔で計測した.1高度あたり5分間の吸引を行い,最後の2分間の値を平均して代表値とした.5高度の測定は30分に1回行った.ガス濃度の校正は1日2〜4回,0ガスと400ppm程度の標準ガスを用いて行った. 高度30,17,9,5,2mにおいて,風速と温・湿度の観測を行い,30mの高さでは3次元超音波風向風速計とCO_2濃度計を用いてフラックス観測を行った.フラックス成分は10Hzでデータロガーに記録し,平均化時間は27.5分である. 夏期日中はすべての高度の二酸化炭素濃度に顕著な差は見られなかった.夜間は林床において二酸化炭素濃度が上昇し,測定高度間に大きな差が見られた.高度1mにおける濃度は最大で720ppmに達し,このとき高度30mの濃度との差は250ppm以上になった.日中の気温が高い日には,夜間の濃度上昇が大きくなる傾向が認められたことから,日中高温の日には夜間の呼吸量が高くなることが考えられた.林内の二酸化炭素貯留量は明け方に大きく減少し,夕方以降夜間にかけて増加した.解析期間における林内貯留量変化フラックスの平均値は-2.7mmol m^<-2> day^<-1>であり,森林生態系の純二酸化炭素交換量(NEE)の約17%に達した.このことから夜間林内に蓄積された二酸化炭素は林床に生育しているササの重要な光合成資源として利用されていることが明らかになった.
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