Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
(1)森林植物および埋土種子集団の種多様性を評価するために,隣接するブナ林と人工林についで林床植生と埋土種子組成を比較した。林床植生の種多様性評価には,三重大学演習林の林床をスズタケが覆うブナ林および間伐直後の保育されている林齢25年のヒノキ人工林において,20m×15mの調査プロットを各1個設置し植生調査を行った。また,埋土種子の種多様性評価には,各方形区から土壌サンプルを48個ずつ採取し,発芽法により埋土種子の種組成を計測した。林床植物と埋土種子集団の種組成を林分間で比較した。その結果,林床植生ではブナ林で36種,人工林では109種が出現した。埋土種子の種数では,ブナ林と人工林ともに40種が出現した。埋土種子の本数では,ブナ林で619本,人工林では341本が出現した。木本では,ブナ林542本,人工林124本と大きな差があった。埋土種子について出現本数と林床における出現の有無を比較したところ,ブナ林では林床に出現しない種が数多く埋土種子に出現したのに対し,人工林で埋土種子に出現したもののほとんどはその林床に出現する樹種であった。林床にササを伴う天然林の地表では,暗い光条件下にあるうえに撹乱の頻度も僅かである。そこでは,散布種子の発芽は困難であり,埋土種子の種子数が多くなったと考えられる。人工林において林床管理が行われるところでは,散布種子の発芽が促進されるため,埋土種子に至る割合が低下するものと考えられる。 (2)森林植物の遺伝的多様性を評価するため,コバノミツバツツジの遺伝分析を行うための予備的解析として,樹木サンプルからDNAを抽出した。DNA分析に用いるマーカー遺伝子座を決定するために,ホンシャクナゲ用に開発されている既存のマイクロサテライトマーカーを用いた実験を行っている。今後,得られた分子情報を解析し,樹種の遺伝構造ならびに遺伝子流動の推定を行う。
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