Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
1.研究目的:本研究では,ヒートパルス法により測定した蒸散量の実測値が,気象条件から算定した蒸散位に基づく設定値以下に低下した場合に灌漑を行うシステムを構築し,ピーマン等を試験作物として各測定データを精査し,蒸散量が自動灌水の決定要因としての妥当性を評価することを目的とする. 2.研究の特徴:本研究は作物体の蒸散量を直接灌漑の指標に適用するもので,リアルタイムで土壌-作物-大気系の水分移動を解明し,作物の環境に対する瞬時の応答を精査することに特徴があり,灌漑・施肥管理の効率化・自動化がより明確なものになることが期待できる. 3.研究成果の概要 (1)土壌水分計に基づく自動灌漑システム:水分一定(θ=8%,pF2.2)の水管理を行った場合においても高蒸散能時にピーマンは水ストレス状態となり,蒸散量の低下が見られ,水分計の設置位置とともに点滴灌漑特有の限定された湿潤域が問題であることがわかった.ここでは,水分計の設置位置に関する検討も合わせて行った.水分計を株元近傍に設置した場合が,最も良好な結果となった.さらに,水分量一定管理のプログラムに,水分減少量の積算値を根群域拡大用の補助灌漑の指標として組み込むことにより,点滴灌漑の問題点であった湿潤域の拡大や高蒸散能時の蒸散量の低下を防ぐことが可能となると考えられた. (2)茎内流測定に基づく自動灌漑システム:ここで検討したシステムは,その作動性については問題がないものの,結果的に過剰灌漑となり,節水効果については問題を残した.これは灌漑に指標に,茎内流量とポテンシャル蒸散量に積算値を用いたことによるもので,規定の水量が灌漑された場合には,灌漑を停止する機能を付け加える必要があることを指摘した.また,この過剰灌漑に伴なう下方浸透水が,根群域の拡大を生起する要因であることが明らかとなった. 現在はこれらの結果を整理し,論文化の段階である。
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