発生,再生,癌転移における細胞接着分子ギセリンの機能解析と臨床応用
Project/Area Number |
13760210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
塚本 康浩 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (90305657)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 細胞接着分子 / 発生 / 再生 / 腫瘍 / 転移 / 浸潤 / 腫瘍マーカー / ギセリン |
Research Abstract |
ギセリンは私達が鶏平滑筋より発見した新規細胞接着分子である。前年度までの研究で、この分子が胚子、再生組織さらに一部の自然発症腫瘍例に過剰発現することを見い出している。本年度の研究では、1)腫瘍形成(特に転移と浸潤)におけるギセリンの機能とその応用性(新規の腫瘍マーカー化)を検討した。まず、腫瘍におけるギセリンの発現パターンを解析した。その結果、人、マウス,ラット、イヌのメラノーマ、肺癌、乳癌、大腸癌などでは過剰発現するが、良性の乳腺腫瘍や間葉系由来の腫瘍では陰性であることが判明し、将来腫瘍の診断マーカーとなることが期待された。次に、腫瘍の転移や浸潤におけるギセリンの機能解明を目的とし、発育鶏卵およびしょう膜尿膜さらにイヌ、マウス、ラットの実験系を用い腫瘍細胞の浸潤および転移能におけるギセリンの機能を検討した。マウスの線維芽細胞由来の細胞株L-929細胞およびラット線維肉腫由来細胞株SSにギセリン遺伝子を導入し、発育鶏卵の漿尿膜及びヌードマウスに接種したところ、腫瘍性増殖が促進し周囲組織への強い浸潤性も示した。長い細胞質内領域を持つギセリンアイソフォームを発現させた細胞では血管内皮細胞への接着と血管壁への浸潤能が促進され肺転移が高率に認められた。これらのことより、ギセリンが腫瘍の浸潤、転移を促進すること、特に細胞質内領域とそれを介した情報伝達が血行性転移を促進することが示唆された。2)皮膚と座骨神経の再生時におけるギセリンの発現を検討したところ再生過程に一過性に発現が増強することが判明し、これらの組織修復にも関与することが示唆された、前記の移植実験の成果の一部はVirchows Archに出版さらにJ Cell Physiolに採択された(現在in press)。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)