Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
血管内皮増殖因子(VEGF)は,腫瘍組織において産生・分泌される一方,器官形成初期には多くの器官に発現する血管系の構築に重要な因子である.しかし,骨形成時におけるVEGFの検索は少なく,大腿骨頭部における血管形成過程に,VEGFが関与するとの報告が一例あるのみである.そこで申請者は,ラットを用い,大腿骨形成時におけるVEGFの発現を大腿骨頭を含め,それ以外に骨幹部や遠位端部についても免疫細胞化学的に解析した.その結果,胎生期より,大腿骨周囲の間葉細胞や大腿骨頭及び遠位端周囲の軟骨膜細胞や未分化な軟骨細胞,骨幹部の骨芽細胞や破骨細胞,骨膜細胞にもVEGFの存在が認められ,VEGFが初期の血管形成に重要な役割をはたしている可能性が示唆された.また,大腿骨の成長に伴い,両骨幹端の軟骨細胞にVEGFが確認されたことは,骨幹部髄腔側から末端部に向けての血管系の形成にVEGFが重要であることを示している.さらに,これらに続き,生後7日には,大腿骨遠位端内部にVEGFが確認され,血管系の構築も始まっていることが確認された.また,生後15日には大腿骨頭窩近傍の軟骨細胞にVEGF陽性反応が認められ,以降生後60日までに,この領域へ,大腿骨頭靱帯からの栄養血管の侵入が見られた.これらのことは,VEGFが大腿骨形成過程において重要な役割を果たしていることを示していると考えられる.また,本研究の結果は,我々の研究室にて新たに実施しているVEGF発現との関与が示唆されているパラサイロイドホルモンレセプターの検索とあわせて第6回日米組織細胞化学会議(2002,シアトル)において発表した.
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