哺乳類生物時計における光同調の分子機序に関与する新規遺伝子の同定
Project/Area Number |
13770033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西村 正高 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40324917)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 時計遺伝子 / 体内時計 / 概日リズム |
Research Abstract |
平成14年度までに、ディファレンシァルディスプレイ法を用いて新たに得られたものおよび既に報告されているものを含むマウスの海馬におけるLTP関連遺伝子十数種について、まずRNAプローブを作成した。それらを用いて、恒常暗の条件下で飼育したマウスに対して主観的暗期(夜)に光を30分間照射後採取した脳組織を用いてin situハイブリダイゼーションを行った。光照射無しの場合と比較して、視交叉上核(SCN)での発現誘導が見られるか否かを検索した結果、未知の遺伝子を含むいくつかの遺伝子で著明に発現が誘導された。その内、既知の遺伝子の一つで、強い発現誘導が見られたArc/Arg3.1について詳しい解析を行った。 本年度は平成14年度までに行っていたArcについてのSCNにおけるmRNAレベル、蛋白レベルの発現変動の解析に加え、Confocalレーザー顕微鏡を用いたSCN神経細胞内でのARC蛋白の局在の解析を行った。この結果、光刺激により誘導されたARCはSCN神経細胞の核や細胞質やだけでなく神経の大小の突起にも局在することが示された。このことは光刺激後のSCNにおいても、神経の可塑的な変化が起こつていることを示唆した(Nishimura et al. 2003)。 本年度はSCNでの誘導がみられたその他のいくつかの遺伝子についても発現の解析を行った。その内、ania-4についてはmRNAレベルの詳しい発現解析を行った。Ania-4はdoubelecortin-like kinaseのshort formで海馬や線条体への薬物投与による誘導が知られている。今回の解析の結果、DD, LD条件下で共にSCNにおいて弱い発現を示したが発現量の日内変動はみられなかった。CT16における30分間の光誘導では光刺激後90分後をピークとするゆるやかな誘導パターンを示した。またCT0,4,8では光照射による誘導はみられなかったがCT12,16,20では誘導がみられた。この結果は現在投稿準備中である。 今回の研究でSCNへの光刺激によって多くの遺伝子が誘導されることが明らかになったが、多様な機能を持つそれらの遺伝子が生物時計のリセットにどう関与しているかはさらなる検討が必要である.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)