Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
急性冠症候群(ACS)における冠状動脈責任血管を,冠状動脈アテレクトミー標本を用いて免疫組織化学的および分子生物学的手法により検討し,日本人のACSの特徴を明らかにするとともに,硬化巣における凝固線溶因子,アドレノメデュリン(AM),C-reactive protein(CRP)発現の臨床的意義について検討した.冠状動脈アテレクトミー標本は,約150症例収集し得た.症例を不安定狭心症群(UAP,約50症例)と安定狭心症群(SAP,約100症例),再狭窄の有無等により分類し,それぞれのアテレクトミー標本におけるAM, CRP,組織因子(TF),組織因子経路凝固インヒビター(TFPI),Ecto-ATPDase(CD39)の蛋白発現・局在について免疫組織化学的に検討した.AM mRNAの発現についてはquantitative PCR法により検討を行った. 【結果と意義】AMは硬化巣の進行とともに過剰に発現され,特にプラーク破綻が生じる部位(shoulder region)において,多数の組織球に発現していたことより,AMと硬化巣の活動性についての関連が示唆された(Hypertens Res,2003).UAPとSAPの比較ではAMの発現に有意差を認め,UAPで高値を示したことから,AMの発現とACS・プラーク不安定化の関連が示唆された(投稿中).培養血管内皮細胞を用いた実験で,AMは内皮細胞からのTFPI releaseと産生促進を介して抗凝固活性を示すことを明らかにした(Cardiovascular Res,2003).CRPの発現は,UAPにおいてSAPより有意に高値を示し,再狭窄症例の初回アテレクトミー標本で高値を示したことより,プラーク進展・不安定化およびPTCA後の再狭窄メカニズムにCRPの関与が示され、また再狭窄の予測因子になりうる可能性が示された(Am J Cardiol,2003).TF, TFPIの発現は,UAPで高値を示しCRPとのco-localizationを認めた.またCD39はUAPで低値であったことより,これらの因子もACS発症に深く関与していることが示唆された(投稿中).
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