胎生期及び成人期血液前駆細胞の胸腺へのホーミング機構、胸腺内細胞移動機序の解明
Project/Area Number |
13770158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小内 伸幸 東大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (50323605)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ケモカイン / ケモカインレセプター / CCL25 / CCR9 / クリプトパッチ / IEL |
Research Abstract |
胸腺微小環境においてT前駆細胞は皮膜下、皮質、髄質へと移行する過程で分化、増殖し、最終的に成熟T細胞となって末梢へ移行する。しかしながら、現在まで、この胸腺内細胞移動、分化を調節するケモカイン・ケモカインレセプターは明らかになっていない。本研究では、胸腺内細胞移動を制御すると考えられケモカインレセプターCCR9の細胞表面発現を抑制するintracellular chemokine "CCL25/TECK-intrakine(IK)"を発現する再構築マウスを作製し、その表現型を解析した。 結果 GFPおよびCCL25-IK導入マウス由来の末梢血、骨髄、胸腺および脾臓細胞は80〜90%以上のGFP陽性率が認められ、高い構築率を示した。また胸腺細胞のCCL25に対する走化能は著しく減少したが、胸腺、脾臓細胞ではCXCL12に対する走化能において量マウス間では変化は認められなかった。 GFPおよびCCL25-IK導入マウス由来の末梢血、骨髄、胸腺および脾臓における総細胞数に顕著な変化は認められなかった。また、胸腺脾臓における各T細胞分画(CD4、CD8、TCRαβ)には変化は認められなかった。 CCL25-IK導入マウスの小腸のIELに顕著な減少が認められた。さらに、CD8αα、CD4/CD8、TCRαβ、TCRγδ、CD3/αEβ7の各IELの著しい減少が認められたが、胸腺由来のCD8αβIELに変化は認められなかった。さらに免疫組織染色により小腸のCD8+IEL、胸腺非依存性IELの分化リンパ組織であるクリプトパッチの数および細胞数(c-kit+細胞)の著しい減少が認められた。 蛍光免疫2重染色法によって、CCL25の発現が4週齢のC57/BL6マウス由来の小腸のクリプトパッチ中のCD11c+細胞に認められた。CCL25に対する走化性が骨髄のc-kit+Lin-細胞には認められたが、c-kit-Lin+細胞には認められなかった。また、RT-PCRによりCCR9の発現がc-kit+Lin-細胞に認められた。 以上の結果から、CCL25/CCR9は小腸における胸腺非依存性IELの分化の場であるリンパ球集積組織クリプトパッチの形成、それに引き続いて出現してくるIELの分化を制御していることが強く示唆された。 しかしながら、胸腺内細胞移動および分化には重要な役割を担っていないことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)