サイトカインシグナル伝達における細胞膜上のラフト構造の役割
Project/Area Number |
13770163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大谷 卓也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90326257)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | サイトカイン / 膜マイクロドメイン / gp130 / IL-6 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
サイトカインは生体中においてはきわめて低い濃度でしか存在せず、また限られた数の受容体分子しか細胞膜上には発現していないことから、何らかの機構によって効率的なシグナル伝達が可能になってるものと考えられる。本研究ではIL-6の受容体であるgp130を用い、効率的なシグナル伝達がどのような機序で可能になっているかを明らかにすることを目的としている。細胞膜上には様々な膜蛋白質やシグナル伝達に関与する分子が集積する膜ドメインが存在し、効率的なシグナル伝達を可能にしていることが最近明らかになってきた。gp130は0.05% Triton-X100には不溶性であるものの、0.5%Triton-X100によって可溶化されることからlipid Raftとよばれる領域とは異なる領域に存在することがわかった。gp130は炭酸ナトリウムを用いたショ糖密度勾配遠心分離で低密度膜画分に分画することができた。またSTAT3もこの分画法によりgp130と同画分に存在することがわかった。一方、SHP2は同画分には回収されなかった。LAT(linker of activated T-cells)はlipid Raftに存在する分子であるが、その局在はC末のシステイン残基への脂肪酸修飾に依存している。このシステイン残基への変異導入はLATのlipid Raft領域への局在を阻害する。一方で、この変異導入型のLATは、gp130と同じ膜画分に分画できることが明らかになった。また変異型のLATとSHP2のキメラ状タンパクはgp130との相互作用が強いこと、gp130の膜ドメインへの局在には細胞外領域が重要であることがわかった。これらの結果から、低密度膜画分には、0.5% Triton-X100に不溶性の領域と可溶性の領域が存在し、gp130はその可溶性の領域に存在することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)