小児気管支喘息患児の経過・予後における母親のストレスの役割に関する前向き研究
Project/Area Number |
13770195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永野 純 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (10325483)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 気管支喘息 / アレルギー / 小児 / 母子関係 / 心理社会的ストレス / 心身相関 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 追跡データの収集 ベースライン調査から1年後に、患児の気管支喘息の臨床経過について、母親を対象に自記式調査(郵送法)を実施した。その内容は、過去1年間の重症度分類(日本小児アレルギー学会による)である。その結果、195人(71%)から返信が得られ、これらの母親とその患児を解析対象とした。 解析結果 ベースライン時点での母親のストレス(「ストレス調査票」にて評価)および母親の養育態度(「田研式親子関係診断テスト」にて評価)の各尺度得点を説明変数、1年間の追跡期間における喘息重症度の変化を目的変数として、両者の関連について検討した。 その結果、ストレス調査票尺度のうち、対象依存/怒り、不愉快な状況、開示性、受容欲求非充足感、利他性、および利己性のそれぞれが、喘息重症度の改善、悪化と有意に関連していた。また、低コントロール感との関連も有意に近いものであった。このうち、開示性と利己性は、得点が高いほど患児の喘息症状の予後は良く、他の尺度については逆の関連であった。 一方、親子関係診断テスト(両親用)の尺度のうち、喘息重症度の変化と有意に関連するものはなかった。 結論 母親の養育態度のうち、問題とされる態度は子どもの喘息症状の経過に必ずしも影響を与えるとは限らない一方で、母親自身のストレスは重要な子どもの喘息に重要な関わりをもつようである。すなわち、母親が自己犠牲的で他者優先的に行動し、慢性的に不愉快な状況にあり、そのことへの適切なサポートが得られない場合、そのようなストレスが間接的に子どもの喘息の経過に好ましくない影響を与える可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)