地域における耐糖能異常者のリスク要因の変化と生命予後、並びに死因との関連
Project/Area Number |
13770196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 功 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90253781)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 糖尿病 / 死亡率 / 75gぶどう糖負荷試験 / スクリーニング / 疫学 / 生命予後 |
Research Abstract |
本研究は、糖尿病スクリーニングとして地域において実施された75gぶどう糖負荷試験(OGTT)受診者を追跡し、死亡率、並びに死因との関連を把握した。大分県A保健所管内の7町村(人口5万4千人、1993年)において、1987〜1995年度における老人保健法に基づく基本健康診査により、一次検査として尿糖、自覚症状、随時血糖検査、既往歴、家族歴をもとに選択されてOGTTを受診した1,645名について、2000年12月31日までの生死、転出を確認し、不明を除く1,639名を本研究対象者とした。死亡例については、総務省から死亡票の目的外使用に関する承認に基づき原死因を把握した。米国糖尿病学会基準に従い、初回OGTTの成績により、糖尿病群(471名)、IGT群(408名)、そして正常群(760名)に分類した。当域における1987年から2001年までの死亡数から全住民(40〜89歳)の死亡率を求め、これを基準集団とし、間接法により糖尿病群、IGT群、正常群の年齢調整死亡率、並びに標準化死亡比(SMR)を算出した。さらに、転帰までの追跡期間をもとにCox比例ハザードモデルを用い、男女別にがん、循環器疾患、虚血性心疾患、脳卒中、および全死亡に対する年齢調整済み相対危険度を算出した。平均9.5年間の追跡の結果、187名の死亡(正常群70名、IGT群46名、糖尿病群71名)を確認した。OGTT実施町村全体を基準集団とした場合に、IGT群、糖尿病群のSMRは男女とも有意に高くなかった。死亡に対する年齢調整済み相対危険度は、正常群を1とした場合に男性のIGT群1.10(95%信頼区間:0.72-1.67)、糖尿病群1.54(1.05-2.24)であった。女性ではそれぞれ、0.91(0.40-2.06)、0.88(0.43-1.82)であり、死亡のリスクは増加しなかった。さらに、男性について、OGTT受診時の交絡要因を調整した相対危険度を求めたところ、正常群に比した糖尿病群の死亡に対する相対危険度は1.71(1.11-2.75)と有意に増加した。死因別の検討では、男性の糖尿病群においてがん死亡の相対危険度が1.97(95%信頼区間:1.15-3.37)を示したが、循環器疾患、虚血性心疾患、脳卒中死亡に対しては男女とも有意な関連を認めなかった。OGTTによりスクリーニングされたIGT群、ならびに糖尿病群の死亡率は、一般住民と比較して有意に高くなかった。しかしながら、男性の糖尿病群は、正常群に比して有意に死亡のリスクを増加させた。一方、女性での耐糖能異常と死亡との関連は認めなかった。死因別には男性の糖尿病群でがん死亡のリスクを上昇させた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)