B型肝炎ウイルスの免疫応答からのエスケープ機構の解析
Project/Area Number |
13770285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
静間 徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20307523)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | B型肝炎ウイルス / ジェノタイプ / 急性肝炎 / 抗原提示細胞 |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルス(HBV)には、現在A〜Gの7種類のgenotypeが知られている。各Genotypeの地理的分布や、肝炎の重症度、臨床経過に対するgenotypeの影響は慢性肝炎では報告されているが、急性肝炎での報告は少ない。そこで本研究では、B型急性肝炎の病態に及ぼすgenotypeの影響につき検討した。B型急性肝炎25例(男性23例、女性2例;16〜51歳、平均32±8歳)を対象とした。PCR-RFLPによりgenotypeを決定し(Lindh M. et al. J Infect Dis 1997;175:1285-93)、また21例(A;11例、B;4例、C;6例)のcore promoter領域、および25例全例のprecore/core領域の塩基配列を、Direct sequence法により決定した。25例中genotype A;14例(56%)、B;5例(20%)、C;6例(24%)であり、D〜Gは認めなかった。女性は2例ともgenotype Cであった。血液検査ではgenotype A:B:Cで、総ビリルビン(mg/dl)15.3±9.0:14.0±5.7:7.8±5.0とgenotype AがCに比し有意に高値であり、プロトロンビン時間(%)64.2±14.8:91.5±13.6:54.4±29.6とgenotype A/CがBに比し有意に低値であった。またIgM-HBc抗体価は5.5±2.5:3.1±0.4:4.2±2.8とgenotype AがBに比し有意に高値であった。血清ALT値1000IU以上が10日以上続いた例を遷延例と定義すると、非遷延例:遷延例で、総ビリルビン(mg/dl)9.4±5.1:16.2±8.8であり遷延例で有意に高値であったが、他データでは有意差はみられなかった。Genotype Aで遷延例が14例中11例(79%)、Bで5例中2例(40%)、Cで6例中1例(17%)とgenotype AはCに比し有意に遷延例が多かった。Core promoter領域では、A1762G, G1764Aがgenotype A, Cで2例ずつ認められた。またG1896Aはgenotype Cで6例中2例に認められたが、genotype A, Bでは1例も認めなかった。これらの変異とHBeのphenotypeに関連性はなかった。Core領域のアミノ酸変異は、genotype Cで多く認められた。以上の結果より、日本ではgenotype B/Cの頻度が高いといわれているが、今回の検討では急性肝炎の過半数がgenotype Aであり、genotype Aは他のgenotypeに比し経過が遷延する傾向にあった。慢性肝炎ではHBeのseroconversion (SC)に関与するとされているnt 1762,1764,1896の変異は、検討症例のSCとは関連がなかった。また、Core領域変異と罹病期間や重症度との関連が推測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)