Project/Area Number |
13770288
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松下 匡孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (00333211)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 大腸腫瘍 / TGF-β / Smad / MAPK / リン酸化抗体 |
Research Abstract |
Smad2および3は、TGF-βリガンド依存性に活性化される。Smad蛋白C末端領域のSSXSモチーフがリン酸化され、Smad4とともに核へ移動し、転写の調節を行っていると考えられてきた。近年、Smad2およびSmad3のリンカー領域にはMAPKのリン酸化部位が存在することが明らかにされ、Smad2およびSmad3の活性化にはTGF-βシグナル伝達系とMAPKシグナル伝達系の異なる部位のリン酸化バランスが重要と考えられている。我々は、Smad2およびSmad3のリンカー領域に対するリン酸化抗体(αpSmad2LおよびαpSmad3L)、C末端領域に対するリン酸化抗体(αpSmad2CおよびαpSmad3C)を作成し、大腸腫瘍組織を用いて免疫化学染色法を行った。その結果、癌細胞に近接する正常腺管においてαpSmad2CおよびαpSmad3C抗体は核に染色されたが、αpSmad2LおよびαpSmad3L抗体の核染色性は低く、正常腺管では、C末端領域のリン酸化、すなわちTGF-βリガンドによる転写調節が優位に働いていることが示唆された。一方、癌細胞ではαpSmad2CおよびαpSmad3C抗体は核に強く染色されたが、αpSmad2L抗体は細胞質優位に、αpSmad3L抗体は核優位に染色される傾向にあり、癌細胞における転写調節は特にSmad3のリンカー領域のリン酸化が関与していることが示唆された。またウェスタンブロッティング法により同様の結果が得られた。これらの結果は、癌の増殖にはおもにSmad3が関与しており、しかもリンカー領域をリン酸化するカスケードが重要な役割を果たしていること示している。また、大腸腺腫ではほぼ正常腺管と同様の結果であり、発癌過程におけるSmad2および3の関与を明らかにすることはできなかった。
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