肺癌におけるサイトケラチン8の機能と臨床的有用性に関する研究
Project/Area Number |
13770297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
坂東 修二 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (60314928)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | サイトケラチン8 / 肺癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
平成14年度の研究成果として以下のことが明らかになった。 1 ELISA法を用いて肺癌患者血清中サイトケラチン8を定量した結果、正常コントロール群に比較して有意に高値を示した。また病期の進行した患者群におけるサイトケラチン8は早期の患者群と比較して有意に高値を示していた。さらに血清サイトケラチン8濃度が50ng/ml以上の患者群とそれ未満の患者群を比較した結果、50ng/ml以上の群は有意に予後が不良であった。定量的RT-PCRを用いて肺癌培養細胞株でのサイトケラチン8遺伝子発現量を検討した結果、非小細胞癌株における発現量は小細胞癌株に比して有意に高値を示していた。また、培養上清中のサイトケラチン8蛋白の定量結果も同様であった。非小細胞癌株の中では扁平上皮癌株と腺癌株の間に発現量の差は認められなかった。以上の結果から肺癌患者血清中のサイトケラチン8の定量が新たな非小細胞肺癌の腫瘍マーカーとして有用である可能性が示唆された。これらの結果を論文にまとめ、Lung Cancer(38:31-38,2002)誌上に発表した。 2 肺癌培養細胞株において、サイトケラチン8遺伝子のAberrant splicingによると考えられる新たな蛋白を発見した。この蛋白は通常のサイトケラチン8分子が有するカスパーゼによる切断点を欠失しており、細胞のアポトーシスに対して抵抗性を与える分子ではないかと推察される。この分子は小細胞癌では発現されておらず、非小細胞癌において高い発現が認められることから、非小細胞癌において何らかの重要な役割を担っているものと考えられる。この新たな蛋白の発見については、現在論文化し、海外の医学雑誌に投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)