肺線維化における線維化抑制物質(デコリン)による発現遺伝子の変化とその解明
Project/Area Number |
13770313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
仲谷 達也 近畿大学, 医学部, 助手 (40319661)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 肺筋線維芽細胞 / デコリン過剰発現 / デコリンノックダウン / α-平滑筋アクチン / 筋線維芽細胞 / デコリン / p21 / 制止期 |
Research Abstract |
Decorinの発現は細胞の増殖や静止と密接に関係している。昨年度、我々はヒト肺筋線維芽細胞株MRC-5を用いて接触阻害による静止期と血清除去による静止期を作製し、両者のDecorin発現量の差が、細胞の活性化の指標となるα-smooth muscle actin(SMA)発現量に影響することを示唆した。今回このことを裏付けるためにMRC-5細胞にDecorinを導入し、過剰発現した細胞と反対にノックダウンした細胞よりα-SMA mRNA発現量を比較した。 [方法]Decorin遺伝子(cloning into pCEP4 Vector)をMRC-5細胞に導入し過剰発現させ、6日後に回収した。また、DecorinのRNA interference用 small interfering RNAを用いて、血清を除去したMRC-5細胞に3日ごとに3回導入しノックダウンさせ、10日後に回収した。それぞれQuantitative RT-PCRによりDecorin、α-SMA mRNA発現量を比較した。 [結果]Decorin遺伝子を過剰発現させた細胞はコントロールに比べ、Decorin mRNAは30-300倍に増加し、α-SMA mRNAは約0.7倍に減少した。Decorin遺伝子をノックダウンさせた細胞はコントロールに比べDecorin mRNAは0.2倍に減少し、α-SMA mRNAは約1.3-4倍に増加した。 [考察]Decorin遺伝子のMRC-5細胞への過剰発現によってα-SMA mRNAの減少が観察され、また、逆にDecorin遺伝子のノックダウンによってα-SMA mRNAの増加が得られた。以上より、Decorin遺伝子は、MRC-5細胞のα-SMA mRNAの発現量を抑制することが明らかになったと考えられる。すなわち、Decorinがヒト肺筋線維芽細胞の活性化を抑制し、肺線維化の抑制因子の一つであることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)