神経変性モデルマウスに蓄積した変性タンパク質の同定
Project/Area Number |
13770336
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
清水 孝彦 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・分子老化研究グループ, 研究員 (40301791)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 老化 / 翻訳後修飾 / イソアスパラギン酸 / イソアスパラギン酸メチル転移酵素 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 神経変性 / 遺伝子治療 / シナプシン1 / シナプス |
Research Abstract |
PIMTは全組織に分布しているにも関わらず、PIMT欠損マウスは神経系に限局した神経細胞変性や致死性痙攣発作を呈する。PIMT欠損マウス脳内に蓄積したIsoAspが一次原因と予想された。トランスジェニックマウスと交配することで神経系にPIMT遺伝子を発現したPIMT欠損マウスは生育の遅延、痙攣発作を認めず生存することが確認された。IsoAspの蓄積はトランスジーンが高発現のマウスでは完全に修復していたが、トランスジ-ンが低発現のマウスではIsoAspの修復は部分的であった。さらにPIMT欠損マウスで認められる海馬でのグリオーシスも高発現マウスでは完全に抑制していたが、低発現マウスの海馬ではグリオーシスが認められた。 シナプシン1はin vitroの解析からIsoAsp修飾が高頻度で形成されることが報告されている。PIMT欠損マウスのシナプシン1を調べたところ、量的変化を伴わず、モノクローナル抗体に対する反応性が低下していた。このシナプシン1に対する抗体の反応性低下を調べたところ、いずれのトランスジェニックマウスにおいてもシナプシン1に対する反応性が回復していた。IsoAsp蓄積によるシナプシン1の構造変化が消失したことを示唆した。次に、精製したシナプシン1のIsoAsp含有量を調べたところ、PIMT欠損マウスではシナプシン1に脳全体のIsoAspの3倍以上集中して蓄積していることが明らかとなった(1モルのシナプシン1当たり約0.5モルのIsoAsp量)。この蓄積は高発現マウスにおいては完全に修復されていたが、低発現マウスでは64%の修復であった。以上の結果から、シナプシン1のような特定のタンパク質のIsoAsp修飾の蓄積が病態の発症に強く関与することを示唆した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)