実験的不全心における心筋内Ca^<2+>動態異常の定量化解析法の開発
Project/Area Number |
13770350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清水 壽一郎 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80294403)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 心筋 / カルシウム / トロポニン / アクチン / ミオシン / 4-State Model / 心不全 / 心筋細胞内Ca^<2+>動態 / 負荷依存性 / 筋線維 / カルシウム感受性 |
Research Abstract |
左心室の収縮に関して様々な研究がなされたが、菅らによる収縮期末圧容積関係により左心室の挙動は十分に説明されるようになった。しかし細胞分子レベルの研究による新しい知見との間にあるギャップは近年ますます拡大している。そこで本研究ではカルシウム-筋線維相互作用モデルにより、左室圧容量依存性をカルシウム-トロポニン(Ca-Tn)関係、アクチン-ミオシン(A-M)関係について検討した。 イヌ摘出心交叉灌流標本6例を用い、左室表面に注入したエクオリンにより心筋細胞内カルシウム濃度([Ca2+]i)を測定、同時に左室圧を記録した。左室容積はサーボポンプにて駆出性収縮をさせた後、容積を固定し等容性収縮とした。モデルに記録した[Ca2+]iを入力し、出力としてのA-M結合が左心室発生張力を表すと仮定し、実験から得られた左室張力曲線をもっともよく表す平衡定数群を求めた。モデルは、A-M関係を左室容積依存性とし、Ca-Tn関係が左室容積に依存する(解析1)、依存しない(解析2)場合について検討した。 [Ca2+]iは、収縮様式、左室容積によらず、同じ時間経過を示した。解析1および2は、Ca-Tn関係の左室容積依存性に関わらず、ともに左室張力曲線をよく表した。さらに、等容性収縮で得られた平衡定数群から、等容性収縮に先行した駆出性収縮についても表すことができた。しかし、解析から得られるCa-Tn関係は、解析1では左室容積の増加に伴い結合が増えるのに対し、解析2では左室容積の影響は受けなかった。 心筋のカルシウム-筋線維相互作用モデルは、Ca-Tn関係の左室容積依存性の有無に関わらず、等容性および駆出性収縮の左室張力曲線をよく表すことができたが、[Ca2+]iが左室容積の影響を受けないため、Ca-Tn結合も左室容積に応じた変化はしない、すなわちCa-Tn関係は左室容積に依存しないと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)