分子軌道論的分子設計に基づく脳内低酸素部位認識マーカーの開発
Project/Area Number |
13770509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 文彦 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (40253471)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 脳 / 虚血 / 低酸素 / フッ素18標識 / ミソニダゾール |
Research Abstract |
前年度において、4-Br^<18>FPNのような分子の部分的構造変換によってLUMOエネルギー準位を下げるドラッグデザインは、低酸素細胞内での代謝トラッピング反応を促進させる^<18>FMISOアナログ開発のためのアプローチとして効果的である可能性を明らかにした。今年度は、脳内で短時間に還元代謝トラップされる優れた低酸素部位マーカーとしての有用性を評価するために、脳虚血病態モデルにおける4-Br^<18>FPNの生体内分布を調べることにした。 脳虚血モデル動物には、Pulsinelli-Brierleyラット4血管閉塞モデルを用いた。4-Br^<18>FPNを投与し1分後に20分間の虚血負荷を施し、その後血流を再開させた。投与後30分後にラットをエーテル麻酔下安楽死させ、血液および各組織の質重量と放射能を測定した。各組織への放射能取込みは、血中放射能に対する組織放射能の割合として評価した。さらに、組織内における代謝物を調べるために、虚血負荷脳のメタノール抽出物をラジオTLCにて解析した。 虚血負荷脳全体へのインビボ取込み放射能は、コントロール群よりも約54%高かった。ラジオTLC解析の結果、コントロール群脳内集積放射能のうちの約70%が未変化の4-Br^<18>FPNのままであったが、虚血負荷脳においては、集積放射能の約87%が代謝産物であることが示唆された。このことから、4-Br^<18>FPNは虚血脳内で特異的な代謝を受けている可能性が示唆された。 4-Br^<18>FPNは,脂溶性を高めて脳移行速度を改善するとともに、電子吸引性基により分子のLUMOエネルギー準位が低くなるようにデザインしたものであるが,このような分子の部分的構造変換は,投与後短時間でhypoxiaを検出可能な優れた脳機能マーカーを開発するアプローチとして効果的であることが、本研究によって明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)