覚醒剤乱用者における覚醒剤精神病の成因に関する研究
Project/Area Number |
13770540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
関根 吉統 浜松医大, 医学部附属病院, 助手 (70324358)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | MRS / 覚せい剤 / 覚せい剤精神病 / 基底核 |
Research Abstract |
プロトン・マグネティック・レゾナンス・スペクトロスコピー(^1H-MRS)は磁気共鳴を利用したスペクトロスコピーで、脳内分子組成の変化を検出することが可能である。これを用いて覚醒剤精神病者の脳内分子組成の変化と精神症状との関連性について検討した。本研究は浜松医科大学倫理委員会において承認を得ている。 検査前に被験者に研究の詳細を説明し、文書による同意を得た後、覚醒剤使用者13名と健常者11名を対象に、^1H-MRSを施行した。その結果、以下のことが明らかとなった。 (1)覚醒剤使用者では、健常者と比較して左右大脳基底核におけるクレアチン・クレアチンリン酸(Cr+PCr)が有意に低下していた。 (2)覚醒剤の使用期間が長いほど、Cr+PCrが低下していた。 (3)Cr+PCrの低下の度合が大きいほど、覚醒剤精神病症状(幻覚・妄想など)が重症であった。 Cr+PCrは細胞内ATP/ADPの利用および貯蔵に関与しており、その低下は細胞内エネルギー利用の障害と関連することが示唆されている。従って、覚醒剤使用者では細胞内エネルギー利用に障害が生じており、それが覚醒剤精神病症状の病態発生に関与していることが示唆された。 本研究は、覚醒剤精神病の発生メカニズムを解明する上で画期的な成果をあげた。また、本研究内容は原著論文として、米国神経精神薬理学会誌(Neuropsychopharmacology)に受理され、国際的な評価を得た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)