Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本年度は、摂食障害に対して事象関連電位であるP300を用いて精神生理学的検討をおこなった。 対象はDSM-IVの診断基準により摂食障害と診断された17名、健常対照者17名とした。P300の誘発にはヘッドホンから高頻度刺激音を1000Hz、出現頻度を80%で、低頻度刺激音を2000Hz、出現頻度20%でランダムに刺激間間隔1000msで呈示し、被験者には低頻度刺激に対してボタン押しにより刺激弁別を行わせるoddball課題を用いた。脳波は国際10-20法に従い、Fz, Cz, Pz, F3,F4,C3,C4,P3,P4の9部位から両耳朶を基準電極とし単極導出し記録紙に記録しながら同時にアナログテープに記録した。記録されたアナログデータは、コンテック製A/D変換ボードによりデジタル変換され光ディスクに記録された。記録されたデータはNEC製パーソナルコンピューターを用い解析を行った。脳波解析ソフトはキッセイコムテック製EPLYZER IIを用いた。脳波は日本脳波筋電図学会(現 日本臨床神経生理学学会)の誘発電位測定指針(1998)に従い、刺激開始後250〜500msecの最大陽性ピークをP300と定義し、振幅(μV)ならびに潜時(msec)を指標に解析を行った。 得られた摂食障害患者と健常対照者のP300振幅ならびに潜時について、診断と電極部位(前後×左右)の要因について分散分析を行った結果、診断の主効果は有意でなく、摂食障害患者と健常対照者の間に差は見られなかった。 以上の結果と前年度のCNVに関する結果を合わせて考えると、摂食障害患者は、oddball課題では健常対照者と電気生理学的な差を示さないが、より複雑な情報処理能力を要求されるS1-S2+R課題になる,と有意な差を示すようになることが考えられた。
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