ミスマッチ修復遺伝子の転写制御機構の検討:転写因子の単離同定と役割の解明
Project/Area Number |
13770720
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
有田 通恒 東邦大学, 医学部, 助手 (80307719)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | DNAミスマッチ修復遺伝子 / hMLH1遺伝子 / 大腸癌 / 転写調節機構 / 転写因子 / 細胞株 / プロモーター領域 / cis-element / trans-acting factor |
Research Abstract |
DNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子の異常は散発性大腸癌などの消化器癌や卵巣癌など多くの癌で報告されている.代表的なMMR遺伝子hMLH1の散発性大腸癌におけるタンパク発現異常の機構について調べたところ,異常を引き起こす既知の概念では説明不可能な結果を得た.そこで転写制御の詳細を知る必要があった。本研究では,hMLH1遺伝子の転写制御機構について(1)転写必須領域の特定,(2)転写因子の同定の2段階で調べる計画を立てた.本年度は,すでに特定化したhMLH1遺伝子転写調節に重要な3カ所のタンパク結合部位(FP3,FP61,CCAAT-box)に結合するタンパクについて研究を行った.まず,これら結合部位をbait配列とし酵母(S.cerevisiae) one-hybrid法を用いてヒト胎盤由来cDNAライブラリーから結合タンパクを検索したところ,FP3結合タンパクの候補として40クローンが得られた.これらクローンのうち塩基配列が決定できた18クローンについてBLAST検索を行ったところ,p29 GCIP-interacting proteinの遺伝子が4クローン見出された.これら4クローンのORFはすべて一致しており,かつfull lengthのcDNA(753bp)を含んでいた.他のクローンではフレームが一致しておらず,またORFも70bp以下と短かったことから,これらクローンは結合タンパクをコードしていない可能性が大であった.このことから,p29のみがFP3結合タンパクの有力な候補と考えられた.p29遺伝子は散発性大腸癌を含む多くの癌で欠失が見られる1p31-32領域に位置することからも発癌との関連に興味が持たれた.今後,分子生物学的な機能解析ならびにp29に異常の認められる臨床検体の検索などによる発癌への関与の解明が期待される.また,FP61ならびにCCAAT-box結合タンパクについても今後の研究課題となった.
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)