肝硬変の肝部分切除による肝細胞増殖因子(HGF)の発現に関する研究
Project/Area Number |
13770723
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (30333199)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 肝細胞増殖因子 / 活性型HGF / 非活性型HGF / 肝硬変 / 肝切除 / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
ヒト肝癌肝切除症例の対象として肝切除前後の血液を用いて、HGF及びHGF activatorの発現形態を検討したが、pro-HGF,pro-HGF activatorのみ認められ、mature typeは検出可能であった。各種条件を調整してみてもmature typeの検出は不可であった。以上より研究内容を変更し、以下に示す研究を行った。 【目的】Hepatocyte growth factor(HGF)は、障害肝の修復や再生に重要な役割を果たしている。肝障害の動物モデルを用いて、recombinant human(rh)HGF投与による肝障害改善や肝再生促進効果が多数報告されている。しかし、未だHGFの臨床応用がなされていないのが現状である。HGFによる発癌や癌転移促進作用など安全性の確立が充分に得られていないためと考えられる。ヒト肝癌の多くは肝硬変を基礎疾患とし、その切除後の肝再生能は正常肝と比べ著しく低下し.ている。しかし、残存肝には充分量のHGF前躯体(pro HGF)が存在すると報告されている。そこで今回我々は外因性のHGF-activatorを用いて障害臓器に存在するpro HGFを活性型のHGF(mature HGF)へ変換することで肝再生促進効果が得られるのではないかと考え、以下の検討を行った。【方法】SD系雄性ラットを用いて70%肝部分切除を行い、切除24時間後に経門脈的にrh HGF-activatorを投与した。残存肝、血液を採取、各サンプルから粗HGFを調製し、抗α鎖抗体を用いてWestern blot解析した。c-Metの活性化は抗c-Met抗体の免疫沈降後抗ホスホチロシン抗体で解析した。摘出残存肝の重量を計測し肝重量再生率を、またPCNA染色を行い、そのlabeling indexを算出した。【結果】HGF-activatorは濃度依存性に残存肝においてpro HGFをmature HGFへ変換した。mature HGFレベルは投与後5〜10分で最大となり、30〜60分で減少した。pro HGFは速やかに減少するも、30分で元のレベルに回復した。HGF-activatorの投与により残存肝のc-Metのチロシンリン酸化を認めた。また、肝切除後2日目にPCNA labeling index、4日目に肝重量再生率がコントロールと比べ有意に増加した。【考察】HGF-activatorの経門脈的投与により残存肝のpro HGFをすみやかにmature HGFに変換することができた。またmature HGFへの変換に伴い、残存肝の再生促進効果が得られた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)