Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
胸膜直下に気腫性嚢胞が発生し気胸に発展する機序については未だ明確に解明されていない.今回,嚢胞形成の分子機序を明らかにする目的で嚢胞性の変化を示す遺伝性疾患である嚢胞腎の責任遺伝子PKD-1に着目し,肺嚢胞における発現を検討した. 1999年2月から2002年1月までに当施設にて手術を行い,遺伝子解析材料として使用する承諾を得た気胸手術によって得られた59検体を対象とした.免疫染色には、抗ヒトPKD-1ポリクローナル抗体(Santa Cruz)を用いた. 気腫性肺嚢胞59例中,15例がPKD-1で染色された.肺嚢胞を単発例,多発例に分けたところ,このうち肺嚢胞が多発した症例でのPKD-1陽性率は24.4%であった. 今回の検討で肺の嚢胞形成にPKD-1抗体で染色される蛋白の関連が示唆されたが,これがPKD-1蛋白かあるいはPKD-1類縁の共通エピトープを有する肺嚢胞形成に特異的な遺伝子産物かどうかは明らかではない.病理組織から蛋白を抽出しウエスタンブロットで分子量の確認を行っている.また肺嚢胞組織で免疫染色陽性となったものには当該産物に対応するmRNAが存在するはずで,このm-RNAを増幅するRT-PCR-Cloning-Sequencingにより発現している遺伝子が明らかとなる.現段階でPKD-1のmRNAの検出には至っていない.今後さらにサザンブロットによるアプローチも行いmultiple locusなプローブを用いて遺伝子の構造変異・欠失を解析する必要があると考えられた.
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