Project/Area Number |
13770818
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 直子 東京都医学研究機構, 研究員 (00321886)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | カルパイン / カルパスタチン / 破骨細胞 / 骨吸収 / NF-κB / インテグリン / アデノウィルスベクター |
Research Abstract |
カルパインは細胞骨格やシグナル伝達のモジュレーターとして機能している重要なカルシウム依存性プロテアーゼであり、その生理的インヒビターであるカルパスタチンにより活性が制御されている。我々は、E64d(合成カルパイン阻害剤)が骨吸収を阻害することを見い出し、骨吸収過程におけるカルパインの役割に着目するに至った(林昌美ら第15回日本骨代謝学会発表)。破骨細胞はインテグリン(αvβ3)を介して骨表面のオステオポンチン等に接着し、形態変化や細胞骨格の再構成(波状縁の形成、アクチンリングの形成等)を伴って骨吸収を遂行する。一方、転写因子NF-κB(IκBの分解により活性化される)は、破骨細胞の分化に必須のシグナル系の一員であり、破骨細胞の生存と死をも制御している可能性があることが示されている。これらの点から、本研究は、骨吸収過程におけるカルパイン/カルパスタチン系の作用点が、インテグリンを介する情報伝達系の制御や、NF-κBの活性化(IκBの分解)の過程にあると予想し、あらたな観点から骨代謝異常の病態の理解や治療にアプローチしようとするものである。 そこではじめに、骨吸収過程におけるカルパイン/カルパスタチン系の関与を、合成カルパイン阻害剤を用いたアッセイよりも直接的に証明する目的で、ヒト破骨細胞内でのカルパスタチン大量発現に着手した。分化後の破骨細胞は非増殖性であり、また高効率で細胞に導入させる必要があることから、組み換えアデノウィルスベクターを用いて、ヒト破骨細胞からクローニングしたカルパスタチン遺伝子を導入、発現させた。しかし、強制発現させたカルパスタチンが不安定化しており、破骨細胞内でのカルパスタチンによる骨吸収活性阻害効果がはっきりと認められなかった。現在、新しいコンストラクトによるカルパスタチンの安定した発現を試みている。
|