黄体形成と退縮の過程におけるHB-EGF発現とジャクスタクライン機構の役割の解析
Project/Area Number |
13770914
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
武木田 茂樹 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60324927)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | HB-EGF / HER-1 / HER-4 / EGF / 卵巣 / 黄体 / ジャクスタクライン / アポトーシス |
Research Abstract |
HB-EGF(heparin-binding EGF-like growth factor)はEGF(epidermal growth factor)ファミリーに属する成長因子であり,HB-EGFは膜結合型蛋白として合成され,種々の細胞接着因子と複合体を形成しジャクスタクライン機構を介してその生物作用を発揮することが知られている.さらに膜結合型HB-EGFはproteolytic processingを受けて分泌型HB-EGFとなりautocrine /paracrine機構を介して生物作用を発揮する.ヒト卵巣内のHB-RGFの発現態度を免疫組織学的に検討すると,HB-EGFは卵巣顆粒膜細胞には発現しないが,黄体細胞に変化するとその発現が認めるようになる.EGF発現は卵巣顆粒膜細胞,黄体細胞の両者に認められるが,HB-EGFは黄体細胞のみに発現することは非常に興味深い.正常月経周期におけるヒト卵巣内HB-EGF発現態度を詳細に検討すると,HB-EGFは赤体の顆粒膜細胞にその発現を認めるようになり初期黄体,中期黄体と黄体形成とともにその発現は増強した.後期黄体になるとHB-EGF発現は急激に減弱なり,白体では認められなくなる.白体周囲のマクロファージ様細胞にはHB-EGFの発現を認めた.次にHB-EGFの黄体細胞に対する生物作用を検討するため,体外受精時に採取したヒト顆粒膜黄体細胞の培養系を確立し,培養ヒト黄体顆粒膜細胞に対するHB-EGFの影響を検討してみると,HB-EGFは培養ヒト顆粒膜黄体細胞の□増殖を促進し,アポトーシスを抑制した.以上より,HB-EGFは黄体形成,維持,退縮の調節□機構に深く関わっていることが推察される(Shigeki Takekida : Expression of HB-EGF in Human Corpus Luteum and its Effect on the Proliferation and Apoptosis of Cultured Granulosa Lutein Cells Gynecological Endocrinology, The Official Journal of The International Society of Gynecological Endocrinology 15 supp 5)さらにH14年度はHB-EGFの受容体(HER-1,HER-4)発現について検討を加えた.HER-1発現とHER-4発現は黄体の形成,退縮の過程でそれぞれの発現態度は変化する.また黄体細胞におけるHER-1発現とHER-4発現の調節機構にはステロイドが関与することがわかった.この成果はH15年度4月に開催される日本産科婦人科学会で発表する予定である.
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)