網膜神経節細胞のタイプ特異的生存と細胞内シグナル伝達機構
Project/Area Number |
13771023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 智満 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 網膜 / 神経節細胞 / 神経変性 / アポトーシス / 細胞死 / カスパーゼ / TUNEL法 / 視神経 / 網膜神経節細胞 / 神経細胞死 / ピクノーシス細胞 / 軸策切断 / カスパーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、軸索切断による細胞死メカニズム、そして生存・死に関わる細胞内シグナル機構が、ネコ網膜神経節細胞のタイプ間でどのように異なるか、を明らかにすることである。本年度は以下の研究を行った。 1.視神経切断後に網膜中心部にアポトーシスが起こっていることを確認するために、網膜の垂直断面標本を作成し、TUNEL法を行った。網膜中心部から離れた場所では1切片上にTUNEL陽性細胞はほとんど見られなかったが、網膜中心部を含む切片では、同じ範囲に最大で19個のTUNEL陽性細胞が出現した。これにより、昨年度網膜中心部に観察されたピクノーシス細胞にはDNAの断片化を伴うアポトーシスが生じていることが確認された。 2.昨年に引き続き、視神経切断後にカスパーゼ阻害剤z-DEVD-cmkを硝子体内投与し、β細胞の生存が促進されるかを調べた。視神経切断7日後に生存している網膜神経節細胞に色素の注入を行い、樹状突起形態から細胞タイプを同定して、α細胞とβ細胞の生存率を調べた。その結果、α細胞の1週間後の生存率は、コントロール群で76.5±37.6%であ。り、カスパーゼ阻害剤投与群では85.0±55.3%と有意差は見られなかった。しかし、α細胞の存在比率がそもそも小さいため相対的なサンプリングの少なさから、標準偏差が大きくなっている。逆行性標識された神経節細胞の中でα細胞は細胞体の特徴から区別可能なため、網膜全体にわたって1mmおきの格子点上で計数して生存率を調べると、対照群81.5±11.4%(n=5)に対して投与群で83.5±9.9%(n=4)であり、α細胞に対して生存促進効果はなかった。β細胞は対照群の37.7±5.4%に対し、投与群では70.7±17.0%とアポトーシスを阻止することによって著明に生存率が向上した。以上のことから、β細胞の急激な細胞死はアポトーシスによるものであるが、α細胞の緩徐な細胞死は他の原因による細胞死であることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)
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[Publications] Kurimoto, T., Miyoshi, T., Suzuki, A., Yakura, T., Watanabe, M., Mimura, O: "Apoptotic death of beta cells after optic nerve transection in adult cats"J Neurosci. (in press). (2003)
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