遺伝子操作による動物を用いた口腔領域の発がん機構の解明
Project/Area Number |
13771123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
野崎 中成 国立がんセンター, 生化学部・代謝研究室, 室長 (90281683)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | poly(ADP-ribose) polymerase / carcinogenesis / 4-NQO / knockout mice / gene-targeting / DNA repair / PARP-1 / 発がん / 口腔がん / DNA修復 / ノックアウトマウス / 発がん感受性 / DNA付加体 |
Research Abstract |
口腔は環境中の発がん物質に直接暴露される可能性があり、発がん過程においてDNA修復系の機能異常の関与が考えられる。ポリ(ADP-リボース)合成酵素はDNA修復に関与することが示唆されている。DNA損傷による口腔発がんの機構を調べるためにポリ(ADP-リボース)合成酵素欠損(Parp-1-/-)マウスにおける口腔発がん感受性を調べた。発がん物質としては、主にUVにより生じるDNA付加体と同じ経路で修復され、口腔を発がんの主要なターゲットとする4-nitrosoquinoline,1-oxide(4-NQO)を用いた。 野生型、Parp-1+/-及びParp-1-/-雄マウス各9~14匹を一群として、4-NQOを0.001%含有する飲水を32週間投与した後、全解剖を行いがんの発生部位、組織型について調べた。舌では野生型、Parp-1+/-及びParp-1-/-雄マウスにおいて各々58%(7匹/12匹)、36%(5匹/14匹)、56%(5匹/9匹)に腫瘍発生が認められた。腫瘍は主に乳頭腫であり、扁平上皮がんは野生型マウス3匹、Parp-1+/-及びParp-1-/-マウス各1匹に認められた。食道では、野生型、Parp-1+/-及びParp-1-/-雄マウスにおいて各々100%(12匹/12匹)、93%(13匹/14匹)、89%(8匹/9匹)に腫瘍発生が認められた。舌の場合と同様に腫瘍は主に乳頭腫であり、扁平上皮がんは野生型マウス1匹、Parp-1+/-マウス4匹及びParp-1-/-マウス1匹に認められた。以上のように、4-NQOにより誘発される口腔発がんはParp-1欠損下で亢進しなかった。Parp-1欠損下ではアルキル化剤により誘発される発がんが亢進することから、Parp-1欠損の発がんへの関与は発がん物質の種類により異なることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)