Project/Area Number |
13771267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
釜崎 陽子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30253678)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | コラーゲン / 象牙質 / 歯髄内圧 / 接着性レジン / ハイブリッド層 / SEM / 透過性 / 光学顕微鏡 / 象牙細管内液浸出抑制 / 接着性レジン修復 / 長期安定性 |
Research Abstract |
本研究では歯髄内圧想定下における象牙質に対する接着性レジン修復時のコラーゲン応用について検討を行った。試料には、抜去後冷凍保存されていた第3大臼歯咬合面象牙質を用い、1試料につき実験エリアとコントロールエリアを設定した。接着性レジンには、All Bond II 【○!R】システムおよび低粘稠性のClearfil-Protect Liner 【○!R】を用いた。コラーゲン処理は、歯髄内圧想定下における歯髄側よりの浸出液抑制を目的とし、象牙質表層よりの接着性モノマー透過性促進効果を期待して行った。コラーゲン混合溶液を塗布し、37℃恒温槽中に60秒間静置し、余剰の液体成分を除去、膜化させた。歯髄内圧想定には、1%BSAを含有させたPBSを用い、25mmHgを加圧した。 1、酸処理後象牙質表面を乾燥させ、プライマーを使用しない場合においては、光学顕微鏡観察により以下のことが観察された。適合状態は両側とも良好であったが、適合不良の試料においては、コラーゲン処理側でレジンと象牙質間の距離の拡大が認められた。コラーゲン処理側では、象牙質の最表層にボンディング材の層や象牙質の層とは明らかに異なり濃く観察できる層を認めた。コントロール側でもボンディング材と象牙質層の間に同様に濃く観察される一層を認めたが、非常に薄く存在していた。 同一試料の断面をリン酸ならびに次亜塩素酸処理した後にSEM観察を行った結果、以下のことが観察された。乾燥により全試料でレジンは象牙質より剥離していた。剥離の幅はコラーゲン処理側で大きく観察されたが、コラーゲン処理側象牙質の剥離面では、非常に薄い(約1μm程度)一層の膜状構造物が認められた。この層は断面に対して行われたリン酸処理および次亜塩素酸処理によって溶解されないハイブリッド層であると考えられた。レジンタグの侵入は両側で認められた。 2、酸処理後象牙質表面を乾燥させることなくプライマーを応用した場合においては、SEM観察の結果、以下のことが観察された。ハイブリッド層は全例とも両側で認められた。両側ではハイブリッド層の形態に明らかな違いを認め、コラーゲン処理側で厚く明瞭な形態で観察された。これは、前回報告した所見と同様であり、コラーゲン処理がレジンの浸透を妨げないという結果が得られた。ハイブリッド層と直下の象牙質との移行は両側とも良好であった。 ハイブリッド層の形態からは、層中のレジン含浸量はコラーゲン処理側で高いことが推察された。 以上の結果から、象牙質に対するコラーゲン処理は、歯髄内圧想定下においてもレジンの浸透を阻害することなく、厚く密なハイブリッド層を形成させることがわかった。
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