Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
我が国において,戦後社会問題化した覚醒剤の乱用は,50余年を経た今日においても沈静化せず,その乱用は益々巧妙化、多様化の様相を呈している。特に近年,覚醒剤の乱用は青少年や女子にも拡がる傾向にあり社会問題として重要視されてきている。今回,我々は覚醒剤常用母体からの新生児の口腔内硬組織への影響を調べる目的で,下顎骨の成長発育を骨の量的な状態変化,そして質的な状態変化としては骨密度に注目し覚醒剤による次世代への影響について検討した。 【結果】 <量的変化>計測の結果,2週・3週・4週・5週の全てにおいて,下顎骨の成長量に関しては,対照群と実験群との間に有意差を認められる事はできなかった。 <質的変化>softexによる透過度とpQCTによる骨密度の両方を分析した結果,2週・3週においては対照群と比較して実験群では明らかに低い値を示したが,4週では実験群が対照群に近づき,5週では明瞭な差は認められなかった。 【考察及び結論】 覚醒剤が身体的に長期的、非可逆的な影響を及ぼし,それは次世代への系代的影響力をも有している事が報告されている。また胎生期にMethamphetamineを投与すると,新生児に奇形や硬組織または軟組織の形成不全を誘発すると報告されており,今回の口腔内硬組織として,下顎骨では,発育成長の量的な変化は対照群とほとんど差は認められなかったが,質的変化としての骨密度が早期の段階で対照群と比較して,明らかな差が認められた。 この事は,外見的には正常な発育をしているように見えていても,覚醒剤常用者の子どもが骨折,脱臼等の易損性を示すものと考えられる。
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