Project/Area Number |
13771414
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医薬分子機能学
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山乙 教之 北里大学, 薬学部, 助手 (60230322)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ドッキング / 結合サイト / 結合様式 / タンパク質-薬物複合体 / ヒト血清アルブミン / 血漿タンパク結合 / ワルファリン / イブプロフェン / 薬物結合 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
ヒト血清アルブミン(HSA)は、主としてサイトI、サイトIIという二つの薬物結合サイトを持つ。これらの結合サイトは、通常の酵素などの結合サイトとは異なり、R-体、S-体の両方の薬物が結合することが知られている。このため、薬物がラセミ体として投与された場合、薬効の無い(弱い)対掌体の存在が、薬効のある(強い)対掌体の体内動態に影響を及ぼすことになる。従って、キラルな化合物について、詳細な蛋白結合の実験を行う前にコンピュータによるin silicoスクリーニングを行うことは、医薬品開発の上で有用である。 我々は、分子動力学法による立体配座集団のサンプリングと3次元データベース検索法を組み合わせたタンパク質に対する薬物の結合様式決定法を考案し、HSA-薬物複合体を用いて、手法の検証を進めてきた。昨年、(R)-、(S)-ワルファリンそれぞれのHSAに対する結合について手法の検証を行った結果、R-体、S-体それぞれの正しい結合様式を再現できた。また、S-体の方が強くHSAに結合することも再現できた。 今回、HSAに対する結合様式が未知である(R)-、(S)-イブプロフェンについて、解析を行い、結合様式の決定を試みた。その結果、イブプロフェンのR-体、S-体それぞれのHSAのサイトIIに対する結合様式は、ミリスチン酸と同一であることが計算により明らかになった。また、R-体の方が強くHSAに結合することも再現できた。 基質特異性の低いHSAでさえ、結合様式を決定できたことから、この手法は、他のタンパク質にも適用可能であると考えられる。この手法を用いた新規薬物のHSAに対するin silicoスクリーニングは可能であり、また、HSAの薬物に対するキラル選択性も判別可能である。
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