ディーゼル排気暴露動物体内での水酸化多環芳香族炭化水素の生成に関する研究
Project/Area Number |
13771425
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮原 裕一 信州大学, 山地水環境教育研究センター, 助教授 (80311330)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ディーゼル排気(DE) / 多環芳香族炭化水素(PAHs) / 酸化ストレス / ビタミンA / 8-OHdG / 代謝 / 多環芳香族炭化水素類(PAHs) / ディーゼル排気粒子(DEP) |
Research Abstract |
ディーゼル排気(DE)中には多環芳香族炭化水素(PAHs)が含まれ、その暴露により様々な生体影響が生じることが知られている。しかし、排ガス中濃度ではなく、実際に体内に取りこまれた量と生体影響との量-反応関係に関する知見は乏しい。また、PAHsは代謝の過程で水酸化・抱合化され体外へ排泄される。これら代謝産物を測定する事は、PAHsの暴露量を評価する上で重要であり、その方法を確立する必要がある。本研究では、DEに含まれるPAHs含量を測定し、その組成を明らかにした。さらに、DEを実験動物に一定期間暴露し、その体内に含まれるPAHs含量を測定し、体内動態に関する知見を得る事を試みた。その結果、肺においてDEの用量または暴露時間に依存したPAHsの増加が観察され、肺への蓄積が明らかとなった。一方、肝臓や脂肪組織ではPAHsの蓄積は観察されなかった。一方、DE暴露そのものによる酸化ストレスに加え、臓器内の代謝能力が高まると、体内での酸化ストレスも高まると考え、抗酸化物質であるビタミンA、およびDNAの酸化ストレスの指標である8-OHdGの測定を行なった。その結果、DE暴露が長期間にわたると、肝臓中のビタミンA濃度が低下することが観察された。しかし、肺、肝臓、腎臓いずれかにおいても、8-OHdGの有意な増加は観察されなかった。さらに、肝臓中で何らかの酸化ストレスが存在することが示唆されたため、肝臓中のPAHsの代謝物を測定することを試みた。肝臓を抗酸化物質共存下で過熱処理し、脱抱合酵素処理を施したところ、肝臓中からピレンの水酸化物が濃度依存的に検出され、DE暴露により、肝臓内で代謝酵素が誘導されていることが示唆された。以上から、PAHsの水酸化物を測定することで、その暴露量の推定が可能となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)