Project/Area Number |
13771449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 美恵 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50200449)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | CD36欠損 / plasminogen activator inhibitor-1 / 血清遊離脂肪酸 / 動脈硬化 / CD36 / トリクリセライド |
Research Abstract |
CD36は血小板、単球および心筋、骨格筋、脂肪細胞など脂肪酸代謝が活発な組織に発現する膜糖蛋白であり、その欠損は血液学的分類により血小板と単球の両方で欠損しているType Iと、血小板においてのみ欠損しているType IIに分類される。昨年、申請者らは健康で遺伝子学的背景の明らかなType I欠損群、Type II欠損群、陽性者の3群に対し、脂肪酸代謝を亢進させるためブドウ糖負荷試験を施行した結果、両欠損群において血清遊離脂肪酸の遅延、それにより生じたと考えられるトリグリセライドの代謝遅延および血漿グルコースの増加を認めた。 今年度は、動脈硬化との関連が注目されているplasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)の産生を脂肪酸が肝細胞において増加させるという最近の報告をもとに、3群の空腹時PAI-1を測定した。同時にPAI-1の産生の増減を決定する代謝性因子を明らかにするため、ブドウ糖負荷試験を行った。その結果、Type I欠損群において空腹時PAI-1値の有意な高値を認めた。また、空腹時PAI-1値と血清遊離脂肪酸の糖負荷後3時間の積算値との間に有意な相関関係を認めた。現在のところ、正常および病的な状況での血漿PAI-1の産生場所は明らかになっていないが、肝臓において比較的多量のPAI-1 mRNA(遺伝子)が発現していると報告されている。以上の事実および今回の結果より、代謝の遅延した脂肪酸がCD36とは無関係に脂肪酸を取り込む肝臓に取り込まれ、肝臓におけるPAI-1の産生増加を引き起こしたと考えられた。 CD36欠損は、欧米に比べ日本において高頻度に認められる欠損症であり、実験動物を用いた研究においては動脈硬化との関連が示唆されているがヒトにおいては明らかになっていない。昨年度のCD36欠損における脂肪酸、トリグリセライド、糖代謝異常および今年度のPAI-1の高値という申請者らが明らかにした結果は、ヒトにおけるCD36欠損の動脈硬化との関連およびそのメカニズムを明らかにするものであり、この欠損症の病態解明に多大に貢献できると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)