Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
予後不良の子どもを看護する看護者の子ども像と、アプローチの特徴を明らかにすることを目的として、昨年度に引き続き臨床経験年数1〜3年未満の看護者の分析を行い、続いて3〜5年未満の看護者へのインタビューと分析を進めた。1〜3年未満の看護者<カルテからの情報><家族からの情報収集><他の医療スタッフからの情報収集><発達段階にあてはめる><自分の立場で考える>ことで子どものイメージを作っていたが、うまく関われない状況が生じていた。そして<子どもと直接関わる><先輩看護者からアドバイスを受ける>ことで<その子の立場で考える>ように子ども像の形成方法が変化していた。アプローチの特徴として<状態の良いときに関わる><遊びを取り入れた楽しい時間作りを意識する><病棟での統一した関わりを基準にする><家族を遠巻きに眺める>があった。影響を与えていたものとして<子どもの状態の把握の困難さ><アセスメントの自信のなさ><急変時の見逃しの怖さ><自分の力の査定><苦痛緩和手段の少なさ><家族への接し方の困難さ><それまでの子どもの印象での関わり><先輩看護者の判断を基準にする><先輩看護者の関わりを見る>があり、それらがアプローチを困難にしたり洗練させたりしていた。3〜5年未満の看護者は、疾患理解が進み「元気になれる保証のなさ」を自分の中で理解できるようになったことで、現状を受け止め、何を話すかを考えて;覚悟;を決めてから子どもや家族に積極的に近づき観察し、子ども像を拡げていた。また苦痛を少なく効果的にする子どもの処置を日々模索したり、子どものケアをとして家族のケアを行おうとしていることなどが明らかになってきた。