Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,的当て,リーチング等巧みさを必要とする動作の脇調的な変動について検討することを目的とした2年計画の研究である。2年目である本年度は,正確さを目的とし,速度の調整を伴う投げ動作における上肢セグメント間の協調関係について検討した。実験では,被験者に約4m離れた的に向かって「はやい」,「中間」,「おそい」という3種類の主観的速度で,できるだけ正確にボールを投げるよう教示した。さらに,セグメント間の協調関係が関与するセグメント部位の違いにより変化するかどうかを検討するため,動作条件に「肘から先のセグメントのみを用いた投球」および「肩から先のみのセグメントを用いた投球」の2条件を設定した。課題遂行時の動作を光学的手法により計測し,パーソナルコンビュータにて分析した結果,得られた知見は以下のとおりである。1)肘から先の投球では,投速度の増大に伴い肘関節最大角速度が増大したが,手関節最大角速度は変化しなかった,2)肩から先の投球では,投速度の増大に伴い,肩および肘関節の最大角速度が増大したが,手関節最大角速度は変化しなかった,3)肩から先の投球では,肩関節トルクと肘関節トルクの間に線形関係が認められた。以上の結果より,肩および肘関節は投速度の調整において協調的関係にあること,手関節は速度調節には関与せず主に動作の正確さを実現するための調整を行うこと,肩・肘関節と手関節にはそれぞれ機能的分化が認めれられ,全体の協調によって速度および正確さの調整が行われていることが示唆された。
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