Project/Area Number |
13780135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
石崎 和宏 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (80250869)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 美的感受性 / 発達 / 美術鑑賞 / ソフトウェア |
Research Abstract |
本研究は、美術鑑賞のためのコンピュータ支援学習の可能性を考察するために美的感受性の発達理論を多角的に再検討し、その知見を援用して美術鑑賞教育ソフトウェアを開発することを目的としている。本年度は、大学生の美的感受性の発達についてレパートリーの観点から再考するとともに、試作した美術鑑賞学習ソフトウェアの改善を進め、その成果を第31回国際美術教育学会(INSEA)(於:ニューヨーク)において発表した。 1 美的感受性の発達に対するレパートリーの観点からの再考 大学生へのインタビュー調査の分析から、大学生の絵画の見方としてその多くが表現性に注目しているとともに、造形要素に対する興味や関心も同様に絵画の見方として認められ、それらが鑑賞レパートリーとしても機能していることを考察した。また、大学生で、Parsonsの発達理論(1987)における第3段階の発達特徴をもちつつも抽象作品への理解に差異を示す二つの事例を比較分析し、言語表現力の差異とともに、造形要素を分析する観点が鑑賞レパートリーとして機能しているか否かの相違が、抽象作品への理解に影響を与えていることを明らかにした。さらにこれらの鑑賞レパートリーが、鑑賞のプロセスを補助し、他のレパートリーへのつなぎの役割を果たしていることを指摘した。 2 試作美術鑑賞教育ソフトウェア改善についての検討 日本の青少年の発達的課題である文脈を探るスキルの不足を補う方策づくりの観点から、昨年度に試作したソフト『美術鑑賞プロフィール』の改善を進めた。その結果、鑑賞者に親しみ易い連想レパートリーや分析レパートリーをデータベース化し、それらの多様な絵画の見方を提供して、個人の意見形作を支援する「トーク・ルーム」を考案し、個人の意見形成を促しながら対話を促進するツールとして機能を充実させた。
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