Research Abstract |
本年度は以下の研究を行った. ●従来から提案しているメソッドオブジェクトを使うことにより,柔軟で効率のよいプログラミング環境を提供することができる.XMLでメソッドの特徴を記述し,特徴に関する検索文を利用してプログラミングが可能なツールを提案した. ●分散環境におけるオブジェクトデータベースの処理の方法には,データマイグレーションとメソッドマイグレーションの二つがあり,これらを組み合わせた処理の効率化は重要な問題である.我々は,この処理のコストモデルを作成し,それを使って効率化を図る手法を提案した.また,プロセッサ演算およびディスク入出力演算を使ってサーバに様々な負荷が発生している状態を作り,その環境での提案手法の有効性を検証した.3台のサーバを用いた実験で,147通りのなかから,約96.6%は誤差率が0.04に抑えられ,誤差率の平均も0.03となり,実用的であることが示された. ●LAN上にあるアイドル計算機を用いれば,更なる効率化が可能となる.我々は提案したコストモデルを拡張し,アイドル計算機を使ったときのコストの見積もりと,効率のよい処理の組合わせを求めるアルゴリズムを提案した.実機による実験で有効性を示し,今後のネットワーク速度やCPU速度の向上で提案手法が益々有益となることを示した.
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