Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究では,本研究代表者が提案する基本素子モデル「酵素トランジスタ(Enzyme Transistor)」に関する基礎研究を行うことを目的とする.今年度は,酵素トランジスタに基づく無配線集積回路の検討(集積回路工学の観点から)を行った.電気化学およびマイクロ加工技術などを駆使することにより,酵素トランジスタモデルに基づく無配線集積回路が原理的に実現可能であることを明らかにした. まず,素子間の無配線通信の原理を実証する.酵素トランジスタを模擬するマイクロ電極をガラス基板上に集積化したチップ(マイクロ電極アレー)を試作した.ガラス基板上に白金蒸着によりミクロンオーダのマイクロ電極パターンを形成する.チップ上の微量溶液中に,可逆なレドックス分子(キノン/ヒドロキノン系)を情報担体とする分子情報伝達系を形成する.これにより,無配線通信の原理を確認することに成功した. 次に,反応拡散場を利用した並列コンピューティングの原理を実験的に検証することを試みる.その第一段階として,可逆なレドックス分子(キノン/ヒドロキノン系)の生成・消滅を多数のマイクロ電極で制御することにより,目的に応じたプログラマブルな反応拡散場をチップ上の微量溶液に実現するための原理を確認した.マイクロ電極アレー上の個々の電極は,計算機上にプログラムされた非線形関数によって制御する.これにより,各種の非線形ダイナミクス(例えば興奮性ダイナミクス等)を定性的に再現する反応拡散場を創出することにはじめて成功した.
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