反応・拡散システムの自己組織化メカニズムによる視覚的群化機能モデルの提案
Project/Area Number |
13780300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent informatics
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野村 厚志 山口大学, 教育学部, 助教授 (40264973)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | FitzHugh-Nagumoモデル / 反応・拡散モデル / 興奮・抑制 / 群化 / 視覚機能 / 拡散モデル / エッジ検出 / 領域分割 / ランダムドットステレオ / DOGフィルター / Turing条件 / コンピュータビジョン |
Research Abstract |
人間の視覚システムに対してパターンを提示したとき、特徴の類似した近接領域が併合されてより大きな領域として知覚されることが知られている。これを群化とよび、その過程を群化過程と呼ぶ。本報告者はこれまで反応・拡散モデルを用いて視覚機能を実現する研究を進めてきた。そこで本研究では、反応・拡散モデルを用いて群化過程の数理モデルを実現することを目的とした。例として線分の方向を特徴量として用い、それぞれの方向に対して対応付けられた反応・拡散モデルにより群化を行う。このとき、反応・拡散モデル間の相互抑制のメカニズムを、FitzHugh-Nagumoモデルに改良を加えることで考慮した。提案モデルを、2種類もしくは3種類の異なる方向を持つ線分で埋め尽くされたテスト画像に対して適用し、有効性を確認した。実験を通じて、いずれのテスト画像に対しても、モデルのパラーメータのうち、抑制性成分の拡散係数を興奮性成分のそれに比較して大きくすることが重要であることが明らかとなった。このことは、既にDOGフィルターとして知られているエッジ検出のモデルと共通しており、また、パターン形成の分野において知られているTuring条件と類似していることが明らかとなった。さらに、これまで進めてきた反応・拡散モデルによるエッジ検出・領域分割の機能の実現に関する研究について、モデルのあるパラメータが画像輝度に対する明るさ閾値として働いていることを明らかにした。また、別のパラメータを調節することによって、さらに特徴点抽出の機能をも実現可能なことを発見し、これがオプティカルフロー検出におけるアパチャー問題の解決に役立つことも発見した。以上の研究から、反応・拡散モデルによって様々な視覚機能を実現可能なことを示し、設定すべきモデルのパラメータに対する条件について示唆を与えた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)