Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本年度は,安全性判定法に用いるデータモデル(拡張条件つきテーブル)の性質に関する以下の研究成果を得た. 1.拡張条件つきテーブルにおける関係演算の閉包性 攻撃者がもつ知識や攻撃目標の情報をすべて,関係データベースの集合により表現するためのモデルとして,昨年度,拡張条件つきテーブルを提案した.本年度は,Closed World Assumption(CWA)およびOpen World Assumption(OWA)と呼ばれる2種類の意味論のもとで,このモデルにおける関係演算(選択,射影,集合和,直積,集合差)およびそれらの逆の合計10種類の演算が閉包性をもつかどうかについて考察した.そして,OWAのもとでの直積の逆演算以外すべてについて,演算が閉じているかどうかを明らかにした.なお,OWAのもとでの直積の逆演算は閉じていると予想しており,現在その証明を試みている. 2.拡張条件つきテーブルのサブモデルの提案およびそのサブモデルにおける関係演算の閉包性 拡張条件つきテーブルのサブモデルを提案し,CWAとOWAそれぞれのもとで,そのサブモデルにおける関係演算およびその逆演算の閉包性を考察した.拡張条件つきテーブルにおいては,CWA, OWAともに射影の逆演算が閉じていなかったが,提案したサブモデルではCWA, OWAともに射影の逆演算が閉じていることを示した.なお,OWAのもとでの直積の逆演算のみ,現状では閉じているかどうかが不明であるが,閉じていると予想しており,その証明を試みている. 上記の結果をふまえ,安全性判定システムにおける攻撃者の推論をシミュレートする部分の設計にとりかかっている. なお,オブジェクト指向データベースへの推論攻撃に関して,否定的情報が推論に対して安全かどうかを判定する問題の計算複雑さについて国際会議(ICICS'02)で発表し,有益な議論を行った.
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